CAFC、裁判地移送に関する2つの判決を下す

CAFCは、裁判地移送(transfer)に関する2つの判決を下した。

裁判地移送については、先のTS Tech判決が注目されているが、今回の2つの判決はさらなる指針を示しているものとして興味深い。

CAFCは、In re Genentech Inc.においては、TS Tech判決でも示された8つの要因を検討した後、Genetech Inc.の要求に答えテキサス州東部連邦地裁からカリフォルニアへの移送を認める職務執行令状(writ of mandamus)を与えた。

一方、In re Volkswagen of America Inc.においては、被告16社のうち、移送を申立てたのがVolkswagenのみであったことなどを理由に、移送の申し立てを棄却した。

タウンゼント知財総合事務所/ 穐場 仁

ITC、ALJの判断を覆しTessera特許の侵害を認める

ITCは、administrative law judge(ALJ)の判断を覆した。

Tessera Technologies Inc.は、ATI Technologies、Freescale Semiconductor Inc.、Motorola Inc.、Qualcomm Inc.、Spansion Inc.、STMicroelectronics NVをITCに提訴しており、昨年12月にALJはこれら被告の製品はTessera特許に侵害しない旨の決定をしていた。

今回、ITCは、ALJの判断を覆し侵害を認める決定を行った模様。

対象特許は、USP6,433,419及びUSP5,852,326。

タウンゼント知財総合事務所/ 穐場 仁

CAFC、Product-by-processクレームの解釈につきen banc判示

CAFCは、Abbott Laboratories v. Sandoz, Inc.事件において、en bancで、プロダクト・バイ・プロセスクレームのクレーム解釈について判示した。

プロダクト・バイ・プロセスクレームの権利範囲の解釈としてクレームに記載されたプロセスの限定を受けるか否かについては、それを認める判例と認めない判例とが混在していた。

今回の判決により、CAFCは、少なくとも権利範囲の解釈としては、クレームに記載されたプロセスの限定を受けることを明らかにしている。

タウンゼント知財総合事務所/ 穐場 仁

CAFC、在外の特許権者に対するDJで人的管轄を否定

CAFCは、Autogenomics Inc. v. Oxford Gene Technology Ltd.事件において、英国の特許権者に対するDeclaratory Judgmentに関し、personal jurisdictionが無いとの判断を下した。なお、昨年末に出されたAvocent Huntsville Corp. v. Aten International Co.事件でも同様の判断がなされている。

USP6,054,270を保有するOxford Gene Technologyは、米国Autogenomicsとライセンス交渉を行っていたが不調に終わり、AutogenomicsがDJを提起していたもの。

CAFCの判断によれば、Oxford Gene Technologyは、Autogenomicsが提訴したカルフォルニア州と”continuous and systematic contacts”がなかったとのこと。

米国外の特許権者に対するDJ提起のハードルが高いことに対しての反対意見として、Newman判事のDissentも興味深い。

タウンゼント知財総合事務所/ 穐場 仁

Infineon、Wi-LANと和解

Wi-LAN Inc.は、Infineon Technologies Agと和解した旨を発表した。Wi-LANは、無線LANに関する特許で複数の企業提訴している。

対象特許は、USP 5,282,222; 5,956,323; Re 37,802。

なお、Wi-LANは、Infineonを含む複数の会社から特許の譲渡を受けており、そのポートフォリオを拡大している模様。

タウンゼント知財総合事務所/ 穐場 仁

CAFC、"obvious to try"を自明性の根拠として認める

CAFCは、KSR最高裁判決を受け、”obvious to try”が自明性を示す根拠となり得ることを示唆する判決を出した(In re Kubin)。”obvious to try”が自明性を示す根拠とならないことを示唆した1995年の判決(In re Deuel)の判旨を事実上覆すものとなる。

タウンゼント知財総合事務所/ 穐場 仁