米FTC、Ethernet規格特許のライセンス活動に対し訴訟提起を決定

Federal Trade Commission(FTC)は、Negotiated Data Solutions LLC(N-Data)のライセンス活動をunfair competitionにより提訴する方向。

N-Dataは、Ethernetの規格に採用されているNWay technologyと呼ばれる技術に関し特許を保有している。対象特許はNashional Semiconductor Corp.(NSC)が保有していたものだが、後にVertical Networks, Inc.へ譲渡されさらにN-Dataへ譲渡されたもの。

IEEEにおける規格策定時、NSCは関連出願の存在を開示し、登録になった場合には比較的低額の一時金により各社へライセンスすることを約していた。N-Dataは特許の譲渡を受けた後、NSCの約束を超える内容によってライセンス活動を行っているとのこと。

FTCは訴状と和解案のドラフトを公開しており、今後30日間パブリックコメントを募り、実際に提訴を行うかどうかが決定される。

今回のFTCの判断は、FTCに付与された権限を超えるものではないかとの意見もある模様であり、今後の成り行きが注目される。

タウンゼント知財総合事務所/ 穐場 仁

【米国弁護士事務所】Nixon Peabody

米Applied Materials Inc.の元senior director of intellectual propertyであるJoseph Bach弁護士がNixon Peabody LLPへ移籍した。移籍前はSughrue Mion PLLCに所属していた。

タウンゼント知財総合事務所/ 穐場 仁

Traffic Information LLC、GPSナビメーカーを提訴

特許管理会社であるTraffic Information LLCは、Alpine Electronics等のGPSナビゲーションシステムメーカー等を、テキサス東部地裁に提訴した。被告には、Pioneer Electronics USA、Honda等の自動車メーカーも含まれている模様。

対象特許は、USP 6,785,606。

タウンゼント知財総合事務所/ 穐場 仁

Discoveryへの対応をめぐり、Qualcomm及び弁護士に制裁

QualcommがBroadcomをCA南部地裁に提訴していた訴訟で、magistrate judgeは、Qualcomm側弁護士への制裁を検討するようCA弁護士協会に伝えるとともに、Cualcomm自体にも8.6M$の制裁金を課した。

Qualcomm特許が無効であるとの証拠をdiscoveryにおいて適切に提出しなかったことに基づく制裁の模様。Qualcomm側弁護士はかかる証拠を意図的に隠蔽したとまでは認定されていないが、かかる証拠の存在を適切に調査しなったことが問題となった模様

タウンゼント知財総合事務所/ 穐場 仁

【半導体関係】SanDisk、PNYと和解

ITC及び連邦地裁に25社を提訴していたSanDiskは、被提訴社の一社であるPNY Technologiesと和解した。和解の詳細は不明。PNY社は米国ベースの会社でありUSBメモリ、フラッシュカードなどを販売している。PNY社以外(LG Electronics、Baffalo、Kingston等)との訴訟は依然継続している。

タウンゼント知財総合事務所/ 穐場 仁

2007年、特許訴訟件数は微増

IP専門誌の調査によると、2007年に米国連邦地裁にファイルされた特許侵害訴訟は2942件。2006年に比べ6%増加したとのこと。2006年は2005年に比べ微減したが、全体的な増加傾向には変化がないものと思われる。

2008年は、特許法改正やプロパテント修正の傾向などの不透明感もあり、早期の提訴に踏み切る特許権者が増えるとの見方もある模様。

また、継続中の裁判としては、patent-exhaustionに関する最高裁の審理(Quanta computer v. LG Electronics)やUSPTOルール改正の是非を争うVirginia東部地裁の判断、などが注目される。

タウンゼント知財総合事務所/ 穐場 仁